泣けない女

別れてあげるよ 望みどおり
私がじゃまだと思う前に
はらりと悲しみこぼれたけれど
夕陽がじょうずに隠してくれた
泣きたいときに 泣けない私
強がりが 何より可愛いなんて
嘘つきだよね あなたが言った
言葉だけ信じて
淋しさで寄り添っていた
それもたぶん愛なのに

遠くで瞬(またた)く街の灯かり
あなたの肩越しゆがんでいる
ゆらりと決心(こころ)がぐらつきそうで
背中を抱く腕(て)をそっとほどいた
泣きたいときに 笑ってみせる
愚かだね 未練があふれるくせに
ふるえる指も 濡れた瞳も
気付いてくれなくて
優しさを置いてゆくだけ
それもきっと愛だから

泣きたいときは 泣いてもいいと
本当の私がささやくけれど
嘘つきだから 好きな人とは
きれいに終わりたい
淋しさで寄り添っていた
それもたぶん愛なのに

それもきっと愛だから
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