函館山から

函館山から 立待岬
吹き上げる雪の中飛び交うかもめよ
若い男は 荒海を走る
優しさ拒む背中にいつも悲しむ女がいた
今はただ胸にしみるひとりの寒さよ
おまえはもう若くはないととどろく波よ

誰を待つのか 立待岬
頬を切る風の中たたずむ乙女よ
紺のかすりに想い出す笑顔
身勝手許す背中にそっと涙を隠していた
淋しさをわかちあえる懐かしい女よ
凍て曇る冬の空にも想いを投げよう

函館山から 立待岬
吹き上げる雪の中飛び交うかもめよ
×