髭と口紅とバルコニー

線路を越えてあの人が来る 髭生やしバンジョー持って
あなたは私の心銜(くわ)えて 夜空飛ぶ西部の鷲
あの谷間に流れさすらう 痩せたインディアンには
わかるでしょう 私の気持ち

君の懐しい 手を取って 今宵 窓辺で踊れば
午後の稲妻 しなやかな黒髪に火花散らす
今更 接吻(キス)してもいいって 淡い口紅(ルージュ)のにおいがする
面影だもの忘れはしない

想い出のコルトを抜いて 最後のワルツと共に
崩れ落ちるあのバルコニー

流行遅れの 恋の唄 今も君は口ずさむ
季節はずれの 風が吹く 冷たい墓の上に

流行遅れの 恋の唄 今も君は口ずさむ
季節はずれの 風が吹く 冷たい墓の上に
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