ひとつ、さよなら

ひとしきり戯れて 君はもういない
かげりゆく八月の夕暮れ、青

いない いない
時が変わる
それはまるで嘘みたいだ

ひとつ、さよなら
なくさなくていいようにね
残されたのは君の香り 蜜のような

愛さないことは 簡単な ことさ
愛しいと思うけど

確かなのは僕のほうさ
微睡んで ゆらり ゆらり

いない いない
僕は祈る
それは まるで悪みたいだ

ひとつ、さよなら
こわさなくていいようにね
忘れないのは夏の香り 眩しいほど

かげりゆく八月の夕暮れの、不在
夢のあと 永久にいて
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