人妻椿

愛しの妻よ 泣くじゃない
たとえ別れて 住めばとて
仰ぐみ空に 照る月は
西も東も 同じこと

また来る春が ないじゃない
ふまれふまれて こぼれ散る
路の小草の 花でさえ
待てばまた咲く 時があろ

浮世の風よ 吹くじゃない
めぐり逢うまで 帰るまで
吹けば涙の 白露に
濡れて傷つく 紅椿
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