ガード下の靴みがき

紅い夕陽が ガードを染めて
ビルの向うに 沈んだら
街にゃネオンの 花が咲く
俺ら貧しい 靴みがき
ああ 夜になっても 帰れない

「ネ 小父さん みがかせておくれよ
ホラ まだ これっぽちさ
てんで しけてんだ
エ お父さん? 死んじゃった……
お母さん 病気なんだ……」

墨に汚れた ポケットのぞきゃ
今日も小さな お札だけ
風の寒さや ひもじさにゃ
馴れているから 泣かないが
ああ 夢のない身が 辛いのさ

誰も買っては 呉れない花を
抱いてあの娘が 泣いてゆく
可愛想だよ お月さん
なんでこの世の 幸福(しあわせ)は
ああ みんなそっぽを 向くんだろ
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