北のおんな物語

うつむきかげんに 咲いてるおまえは
黒百合みたいだと 抱きよせた
せつなくて ただ腕のなか
聞いていたのよ 波の音
北のおんなが いのちがけ
絞るよな 恋をした
それが それが あんたなの…

紺地に白ぬき 比呂子の暖簾が
あんたの無愛想 おぼえてる
冷やでいい 酒がほしいと
戸口叩いた 雪の夜
北のおんなの 深なさけ
あつい酒 あげたのよ
それが それが わたしなの…

羅臼(らうす)の岳(やま)にも 秋風吹くころ
便箋半分の 置き手紙
ゆるせない この憎らしさ
だけどわたしは 許したわ
北のおんなの 二百日
黒百合に よせた恋
きっと きっと また逢える…
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