雪の桜田門

葵の旗に 風荒れて
春三月に 降る雪や
世の仇雲を 払わんと
白刄おどる 桜田門

[詩吟]
決然国を去って 天涯に向かう
生別又死別を 兼ぬるの時
弟妹は知らず 阿兄の志
慇懃に袖を索いて 帰期を問う
(佐野竹之助)

勤皇攘夷 火と燃ゆる
男の意気は ただ一路
ひとたび起てば かえりみぬ
この身を許せ 妻よ子よ

大老井伊を いまここに
討たんと迫る 十八士
降りつむ雪に 紅の
熱血しぶく 桜田門
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