夕陽マリー

ハドソン河を
見下ろすパーク
せり出したベンチにいつもいた
風に吹かれながら
女は
静かに西の空を見る

何を失い
何を手にした?
自分の心に
問いかけてた

夕陽マリー
誰かがそう呼ぶ
黄金(こがね)色した
華奢なその背中
あれはマリー
沈む太陽よ
今日 一日
しあわせだったか?

コンテナ船が
影になるまで
一番星 どこかで待っているよ
時に笑い 泣いて
女は
1人で夢の涯(はて)を知る

やりたかったこと
やり残したこと
いくつ数えたら
明日は来る

夕陽マリー
ここらじゃ噂よ
ホントの名前は
誰も知らないの
あれはマリー
まるでついてない
どんな今日でも
生きててよかった

夕陽マリー
誰かがそう呼ぶ
遠くを眺める
やさしい眼差し
たぶんマリー
闇に包まれても
今日 一日
しあわせだったよ
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