雨の函館

雨の…函館 女がひとり
褪(あ)せたくちびる 紅を引く
ほかの男に この身あずけて
断ち切るはずが 断ち切れず
だめな…だめな…だめな…私ね
港あかりに 未練がうずく

馬鹿な…女と 自分を責めて
一夜かぎりの 宿を出る
濡れた三叉路 右に曲がれば
鹿部(しかべ)の町へ ゆけるけど
さむい…さむい…さむい…私ね
いのち千切れて 運命がにくい

雨の…函館 女のなみだ
うすい寝化粧 かくれ宿
灯り落とした あつい素肌に
あなたの好きな 香りだけ
だめな…だめな…だめな…私ね
夢でいいから も一度抱いて
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