伊香保の女よ

たまらなく 逢いたくなって
ひとり湯の町 しのび宿
川の瀬音を 枕で聞いて
泣いた涙の 紅つばき
も一度逢いたい 伊香保の女(ひと)よ

すこしだけ いただきますと
お猪口さし出す 白い指
今は噂も 聞かぬといった
路地の夜風の つれなさよ
おもかげ恋しい 伊香保の女(ひと)よ

榛名富士 淋しく暮れて
未練ごころを また濡らす
坂の石段 ぼんぼり明かり
湯の香せつない 洗い髪
も一度逢いたい 伊香保の女(ひと)よ
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