問わず語り

地下鉄のドア越しに見たの
あなたに寄り添う その人を
気づかないふり さりげなく
そっぽ向いて やり過ごした

読みかけの ラブストーリー
この手から すべりおちた

なにも聞かないわ…今は
いつかあなたが 想い出話
私の髪を なぜながら
問わず語り その日まで

約束があるなんて 誰と?
いつもと違う あなたの声ね
だけど私 あっさりと
それじゃあまたと 電話を切るわ

飲みかけの コーヒーカップ
すっかり 冷めてしまった

どうしてなのかしら…なぜか
よけいあなたに 魅かれてゆくわ
心の奥で 夢見てる
問わず語り その日まで

なにも聞かないわ…今は
いつかあなたが 想い出話
私の髪を なぜながら
問わず語り その日まで
×