夏至

ぼくは静かにページめくった
黴の匂いにきみは目醒めた

ああここはどこからも
遠ざけられた場所
海は風に凪ぐ
物いわぬ便箋のように

鳥は静かに翼たたんだ
夏がおわれば夏がはじまる

過ちをおかした
海辺の行列
途方に暮れ微睡む
罰を忘れられて

止まる世界でページめくった
いまも目次に たどり着けない
いまも目次に たどり着けない
×