明日天気になあれ

鳴らしてごらん 吹けるだろ
麦笛呉れた いがぐり坊主
「明日天気になあれ」
思い出します お下髪の頃の
手と手つないだ わらべ唄

梢に逃げた ひぐらしを
登って捕った わんぱく坊主
「明日天気になあれ」
娘ごころの 瞼に消えぬ
陽焼け頬っぺの 片えくぼ

すすきの道で 手を振って
別れて行った いじわる坊主
「明日天気になあれ」
便り欲しさに 都の空を
見れば日暮れの 千切れ雲
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