わすれ傘

邪魔になったら 何処かに捨てて
どうせお店の わすれもの
言って差しだし 差しかけて
駅まで送った その人が
夢で手をふる 港町
あなたに逢いたいの わすれ傘…

好きと言われて 抱かれた夜も
今夜みたいな 雨の夜
いまはどうして いるかしら
あの日のお酒を 傾けて
酔えば遠くで なく霧笛
あなたに逢いたいの もう一度…

雨の止まり木 おんなの酒場
男ごころの うら表
知ったつもりで いたけれど
優しい言葉に また惚れた
バカよバカバカ 港町
あなたに逢いたいの わすれ傘…
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