凱歌

やがて途絶えた道の
向こうに淀むものを
その重さだけ
声も無く知っていました

かりそめの朝
偽りの歌さえざえと
僕らの喉を鳴らした
無惨な凱歌

こんなに蒼くまだ蒼く月が光るから
夜は秘密を守れずに唇を濡らす
まだ永久に閉ざされた数多の扉を
届かぬ闇のその中に
隠して下さい

時を運ぶには小さすぎる舟でした
舵を流して
ただ波を漂いました

春の喘ぎが憧れを育む頃に
傾きながらよろこびを歌い続けて

ちりちり瞬く
冷たい鈴の音
瞳の深くに
花火を灯して

モノクロで描く
研ぎ澄まされた絵のように
心を削いで
その骨を晒せる日まで

ただひとときを生き残るために歌ってる
何も持たない僕たちの不器用な凱歌
まだ永久に閉ざされたこの胸の中に
ノイズのような音ばかり散り散りに響く

夢より甘くまだ甘く
夜の旋律は
遠くなるほど近くなる
静寂の調べ

こんなに蒼くまだ蒼く月が光るから
傾きながら切れ切れに
僕たちは歌う
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