どんぐりと花の空

いつぞやの 山は碧くて
君は日の差す方へ 歩いては種を蒔いていた

毎日は 風に吹かれて
空は些細なことを わずらって明日へ流してゆく

春に憧れて 夢を語る君の姿に
いくつ会えるだろう
どうして 思うようには 人をだいじにできないの

ある朝の 旅路の途中
霞む山吹色に からっぽの雨が降る

夢を忘れたら きみをいっしょにわすれていって
ひとつ覚えたら
こうしていたことも また同じように
なくなってしまう

ひとすじの道のむこうに
君が最後にくれた 花びらのわすれもの

ぼくはいかなくちゃ
君に近付く そのためだけに
君が笑うように
ほら 手を伸ばして
こころの花に 夢をのせ唄う
×