らしくないし、

とある日の事。
君は私を下の名前で呼んだ
それがどうした?それでどうした?
…何も無いけど。

指の形を褒めてくれたね、なんだかこそばゆくて
短い髪をくしゃくしゃにして
頬を隠した

逢いたいよとか、らしくないし
ふたりきりとか、照れ臭いし
こんな私でも 愛してほしい
なんてもう叶わないよ 君はもう誰かのもの

混ざる香水 急ぐ足音 南の改札口
またねと笑う 君に聞けなかった
“また” ってすぐかな…?

帰りたくないよ でも、らしくないし
手を触れたなら、照れ臭いし
暇な右の手は デニムの中
君がそばにいた日は 二度と戻らない願い

きっと誰よりもこの思いは大きいのに
かっこ悪いでしょ、泣いてもいいかな?

逢いたいよとか、らしくないし
ふたりきりとか、照れ臭いし
好きになれないよ 私の事
嘘はもうつきたくない

逢いたいよ今、ふたりきりで
手を繋いだら、離さないで
こんな私でも 愛してほしい
君のそばにいたいよ …そんな事言えないけど。
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