あなたの言葉

あなたが口にした言葉が 風で掻き消されてしまう
それは繰り返されずに あなたは「なんでもないのよ」と笑う

僕達が腰を下ろしてた 砂浜に夜が訪れて
海岸に沿う町の灯が 瞬いてゆるやかに曲がるのを見てた

ふたり手と手 重ね合わせて 時の流れ止めようとして
広がる目の前の景色を 今この胸にしまえば

月は満ち欠けを繰り返し 星はこの大空を巡り
あなたが口にした言葉が 今吹いた風で掻き消されてしまう

ふたり指を ひとつずつ絡め それを激しく砂に押し付けて
心がもつれる瞬間を 生命の中に押し込めば

形が定まる事のない 波の泡が生まれ弾けて
あなたが口にした言葉が 今吹いた風で掻き消されてしまう
風で掻き消されてしまう…
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