夏の扉

灼けた肌の色がうすらいでゆく
風も秋の匂いがするわ
眩しかった夏を見送るの あなたと――
熱い砂は冷えてしまったけれど
海に沈む夕陽のような
愛の炎 胸の奥で燃えるのよ
あなたがそばにいてくれるから

渡り鳥のように羽撃(はばた)きたいの
秋も冬も春も渡って
めぐる夏にまた海に来たい あなたと――
愛は日記みたい この新しい
白いページめくってゆくの
海がくれたあなたとの夏の日々は
心にきっと残るはずだわ
夏の海がくれた倖せを胸に秘めて
季節の扉 開けてゆくのよ
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