青春挽歌

春は乙女の柔肌に
かげろうゆれて恋を知り
片手の書物投げ捨てて
ふみ書く我や花の下

夏は裸のこの胸を
嵐にさらし夢を知り
旅立つ船はようようと
舵とる我や波の上

秋ははかない虫の音(ね)に
別れのつらさ涙知り
去り行(ゆ)く人のうしろ影
みおくる我や風の中 ああー

冬は女の黒髪に
初雪かかり情け知り
さし出す傘は相合の
手を取る我や雪の中
手を取る我や雪の中
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