君から電話が来たよ

馬鹿ばっかりさ どいつもこいつも阿呆面しやがって
明日もきっと良い事があるって 根拠も無く信じちゃって
期待するのももうやめた 裏切られると悲しいから
救われるかもしれないってさ どこかで願ってしまうから

もともと気に食わなかったんだ こんな世界にもう用は無い
バッグの中には包丁 理由なんてどうだっていい

君から電話が来たよ 4回目で切れたけど
あの笑顔が浮かんだよ 君はなんて言うかな

産まれた時は誰もが 白地図を握り締めていて
みるみる自分の手垢で汚れて 本当の色を忘れていく
どうしてこうなったのかは 昨日さんざん考えたろ
自分を信じられないのは 人として終わってるんだよ

通りを横切る人の群れに 吐き気を催して座り込んだ
平然と歩く人間 自分が人じゃない気がした

君から電話が来たよ 6回目で切れたけど
右手がバッグの中に 今ゆっくり入ってゆく

通りを横切る人の胸に 深々とささる冷たい銀色
暗い炎 トップニュース 想像は加速し続ける
ああそうさ いつだってこんな風に 想像する事しか出来ないよ
バッグに入った右手 携帯電話を掴んで

君から電話が来たよ 今ならまだ間に合うよ
涙が溢れてきたよ 君は何て言うかな
あと5秒で泣き止むから まだ切らずに繋いでて
この鼻声を聞いたら 心配してくれるかな
馬鹿だなって笑うかな
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