瞼のふるさと

瞼の中の ふるさとは
山がある 川がある
道があり 橋がある
春には白い 花が咲き
秋には赤い もみじ散る
夢路をたどり 泣くところ

瞼の中の ふるさとは
海がある 島がある
船があり 岸がある
父母兄弟(おやきょうだい)や 友がいる
手をふりながら 見送った
あの日のままの 顔もある

瞼の中の ふるさとは
空がある 雲がある
夕陽あり 月もある
遠くにあれば 想うもの
涙に濡れて 浮かぶもの
変らぬ景色 いつまでも
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