娘鳥追い

恋の編笠 紅緒で締めて
月の街道 ひとり旅
流す新内(しんない) 三筋(みすじ)の糸に
つけて淋しい 月灯り

夢に通えど 愛(いと)しい人は
別れ別れて 三年(みとせ)越し
なぜにあの日の 形見にくれた
抱いて泣きましょ 房扇

知らぬ他国の 町から町へ
旅はいつまで 続くやら
山の入陽(いりひ)に ついつまされて
いつか乱れる 撥(ばち)さばき
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