おもかげ情話

おもいで注ぎ足し 呑む酒は
別れたあいつの 味がする
雨に濡れたら 風邪ひくと
傘を片手に 待っていた
やさしさが
いとしさが 雨の酒になる

生活(くら)して一年 しあわせが
二つのこころに 色あせた
花に水やる 横顔に
愛の疲れを かんじてた
さみしさが
かなしさが ひとり酒になる

気持ちがはなれて いくまえに
他人になるわと 泣いたやつ
秋の風吹く 屋台酒
丁度あの日と 同じ場所
あいたさが
つのるほど 今日も酒になる
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