無風忍法帖

虚の頭に 生りて 湧く
孤陋寡聞の 繰り言
化人気取りの 蝸牛
此処に ずっと 在って 未だ 是なる

(ぴゅう) 素っ飛んだら 負け 打っ飛んだら 勝つ
飛びもしなけりゃ 居らぬもの
突っ込んだら 外 引っ込んだら 中
ちょびっとの 狂いで 己を 見失う

(風) 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる
然う 吹けば飛ぶ故 風凪ぎに 宿る

新の懐紙に 書いて 詠む
束馬懸車の 痴言
訴人ごかしは 靄靄
其処に 何処に 彼に しれっと往く

(ぴゅう) 素っ飛んだら 負け 打っ飛んだら 勝つ
鳴かず飛ばずは 要らぬもの
突っ込んだら 外 引っ込んだら 中
願っても無い 其 無風ぞ 善かれける

(風) 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる
然う 吹けば飛ぶ故 風凪ぎに 宿る

吽 風を喰らわば 穏やかに 過ぎる
然う 吹けば飛ぶ故
風凪ぎに 宿る 只 前を向き
風は吹けども 動かざる 信念
然う 何も雑ざらぬ 生きやかな 此の 風向き
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