彼女の嘘

風になびく長い黒髪 僕は君にすぐに気づいた
くだらない焼きもちのせいで 君は部屋を出た
二人暮らしのあのアパート バタークッキーはもう食べない
思い出すと辛くなるんだ 息も出来ない

声をかけてみようか 君から目が離せない
どうか気づいてくれ 嘘さ
通り過ぎていってほしい 相変わらず僕はなんて優柔不断な奴だ

子供と手を繋ぐ君に 胸の奥が痛むんだ
どんな男性(ヒト)と 君は共に歩いているかな
娘を欲しがっていたね 願いが叶ったんだ
なんで見つけちゃったんだろう 会いたくなかった 君だけは

「元気だった?」と笑った 君の目は僕を見てない
ものすごく惨めな気分さ すでに思い出か
『大学時代の友達』と 旦那に嘘は言うなよ
笑ってその場を濁した 何をしてんだ

幸せは見せないで 意地悪をしてしまうんだ
わかっているのに 「今もベランダで歌う?鼻歌」
相変わらず僕はなんて最低な男なんだ

子供と手を繋ぐ君に 胸の奥が痛むんだ
「バタークッキーだけは うちの子も大好きなの」
覚えていてくれたんだね 涙がこぼれそうさ
なんで見つけちゃったんだろう 会いたくなかった
君だけは

「じゃあまたね」と手をふる君に 胸の奥が痛むんだ
『次はどこで会えるかな?』 馬鹿だな期待してしまう
本当は会いたかったんだよ 涙がこぼれそうさ
なんで見つけちゃったんだろう
どうか幸せに 君だけは 幸せに
君だけは 幸せに 君だけは
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