影を慕いて

まぼろしの 影を慕いて雨に日に
月にやるせぬ 我が想い
つゝめば燃ゆる 胸の火に
身は焦れつゝ
しのびなく……

わびしさよ せめて痛みのなぐさめに
ギターをとりて 爪弾けば
どこまで時雨 ゆく秋ぞ
振音(トレモロ)寂し
身は悲し……

君故に 永き人世を霜枯れて
永遠(とわ)に春見ぬ わが運命
永ろうべきか 空蝉(うつせみ)の
儚き影よ
わが恋よ……
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