佃の渡し

渡し舟なら 渡れても
何故に渡れぬ 向こう岸
灯りこぼれる 隅田の川に
映るあなたの面影が
私を泣かす 佃の渡し

風の冷たさ それよりも
寒い女の 胸の奥
惚れた分だけ この身が細る
逢えぬ分だけ また恋し
ひとりが辛い 佃の渡し

もしも明日(あした)が 見えるなら
背のびしてみる 舟着き場
そばにあなたが いるだけでいい
そして一年 生きられる
戻ってきてよ 佃の渡し
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