蒼い旅

寒空に消えてゆく
群れた冬鳥
おまえには わかるまい
ひとりの淋しさを
生きたくて 生きてきた
わけじゃないのに
死ねなくて生きてきた
ただそれだけなのに

疲れ果てて傷ついた
青春の証拠は
目には見えない
心の蒼あざ
帰りつくあてのある
つらい旅なら
歩けないこの足を
ひきずりもしように
戻ることも許されず
落ちてゆく時には
海の蒼さに 染まってゆきたい
たえ間なく寄せる波
消える足跡
死ねなくて生きてきた
ただそれだけなのに
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