北寒流

海峡越えて 吹く潮風(かぜ)が
からだの芯まで しみ通る
別れが来ると 知らないで
あなた一人に 生きた日々
命凍える 哀しみを
抱いて 抱いて ひとり 流れ行く

あなたの瞳の 優しさを
信じて抱かれた はずでした
飛沫に濡れる 指先が
今もぬくもり 恋しがる
せめてもう一度 逢いたくて
泣いて 泣いて ひとり 流れ行く

波に砕ける 貝殻と
同じ運命(さだめ)か 約束は
あなたを無理に 怨んだら
少しは強く なれますか
たどり着きたい あの胸に
今日も 今日も ひとり 流れ行く
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