雨蛍

鏡見るのが 嫌なほど
どなたの罪の 恋やつれ
逢いたい行きたい…
せめて束の間 晴れたなら
憎い浮世の 五月雨に
飛ぶに飛べない 雨蛍

めぐり逢うのが 早ければ
あなたの妻で 愛綴り
逢えぬ長夜は…
何度 寝返り 肘まくら
夢も遠野の みちのくで
燃えて身を灼く 雨蛍

世間隠れの 恋ならば
指されりゃ痛い うしろ指
逢いに行きたい…
たとえひととき ひと目でも
下げた提灯 濡れぬよに
袖かばった 雨蛍
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