CoFFee

小さな足が走る渡り廊下 冬の日
給食は湯気をたて 漂うパンの香り
ガラスのビンに光が差し込む
コーヒーをまぜよう つめたく冷えたミルク

校庭はつむじ風 砂を巻き上げ寒そうで
速くもないから 走るのはもっと憂鬱
このコーヒーはなぜ甘いんだろう
華やかな子にも そっと見てる私にも

そしていつの日か 苦い味になる時がくるでしょう
白い冬の日を歩いているのです うつむきひとりで

新しい絵の具の赤 鶏頭の花の色
遠くで聞こえる春 笛の曲が響く
また熱を出し 寝ている私
甘いコーヒー 繰り返し思い出す

やがていつの日か 苦い味になる時が来るでしょう
熱を出した午後ラジオを聞いている 静かにひとりで

そしていつの日か 苦い味になる日が来るでしょう
白い冬の日を歩いているのです うつむきひとりで
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