海色のパセティック

フェンダーに寄りかかる
海向きの横顔を
助手席から見つめている

8月の寒い朝
引き潮の白い砂
熱い夢が終る予感

まだ まだ まだ 好きよ

これ以上愛せないほど
かかえた想い痛くて
陽気な歌を捜して
車のラジオつけたの
不安げな指で

「都会(まち)へもう帰りましょう」
つぶやきは聴こえない
白いシャツに日焼けの腕

もう もう もう 誰か…

冷たいフロントグラス
あなたが気付くようにと
I LOVE YOU 小さな横文字
逆さにそっと書いたの
さよならがわりに
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