望郷屋台酒

調子(ちょうし)はずれの 唄だけど
聞いてくれるか 親父さん
苦労続きの おふくろが
唄ってくれたよ 子守歌
破(やぶ)れかけてる 赤提灯が
俺にゃ似合いの 屋台酒

笑い話しで 終わるよな
夢じゃないんだ 親父さん
故郷(くに)へ錦(にしき)と 行(い)かないが
一旗(ひとはた)揚(あ)げなきゃ 帰れない
丸い木の椅子(いす) 小さな布団
酒と涙が 絵を描いた

出世払いと 酒を注ぎ
小言上手(こごとじょうず)な 親父さん
やれば出来ると 励(はげ)まされ
心にしみるよ 裏通り
風が背を押す 暖簾(のれん)を揺する
後にゃ引けない 屋台酒
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