水滴

咲いた花を折るように
途切れた糸をたどるように
戻れない時を見つめてた
あなたにはもう届かない

それだけのこととわかって
いるのにどうしてかなしい

散った花びらをそっと
拾い集めてみるけれど
もう元には戻れないの
壊したのは誰でもない

ひとりきりで歩く道はひどくひろい
ひどくかなしい
失うのは慣れないけど
こぼれてゆく
こぼしていこう

こんなことになるのなら
出会わなければよかったの?

去った後の静けさが
さらにむなしくさせるのね
だけど愛したキモチは
何よりも尊いもの

ふたりきりは窮屈だった
それだけでいい それだけのこと
理由なんてないようなもの
交われない線だっただけ

通り過ぎた後の風が
明日へと静かに流れた

たぐり寄せたぬくもりは
少しずつ冷たくなった
変えられない
変われないけど
それでもいい
消したくはない
消しはしないよ
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