引き算

新しい朝が来るたび
生まれたての風が吹く
いつまでも変わらぬものが
心の奥に
赤い夕陽に向かって
君を思い
きらめく星を見つめて
君を思う
いつの日か雪のように
溶けて消えるならば
はかなきは生きること
愛しさは生きること

一つたして増えたあとで
二つ引かれ一つ減り
少しずつやせていくのに
ゼロにならない
眠れぬ夜の暑さに
君を思い
凍える街の灯りに
君を思う
いつの日か雲のように
流れ消えるならば
はかなきは生きること
愛しさは生きること

赤い夕陽に向かって
君を思い
流れる雲を追いかけ
君を思う
いつの日か雪のように
溶けて消えるならば
はかなきは生きること
愛しさは生きること
×