春風にのって

南向きの大きな窓を開けて
咲はじめの桜なんて眺めながら
昨日の言葉と明日の行方を
揺れる雲に重ね合わせてみる

山の様につもった想い出は
未だに心臓を痛くするけれど
今の私は強くあるべきで
触れられても壊れないくらい重い鎧を身に着けたまま

誰も知らない世界へ行こう
今ある悲しみ全部おいて
自分が本気で誇れるものを見つけに行くために

一年で一番好きなこの季節に
ロマンチックじゃないけれど手紙を出した
マロン色のビンセンに2行だけ
走り書きの「ありがとう。」と「さよなら」

君が歌った未来の空の色を
隣でみられなくなってしまったけど
いつでもどこにいても祈ってるよ
半信半疑な君の顔が浮かんでおかしくて、せつなくなった。

出発の準備は整った
「幸福はきっとこの先にある」
呪文のようにくり返して、開かれる扉に身をゆだねよう

今は形なきものばかりだけど
1つ1つ腕に刻んでいくんだ
これから不思議なくらい
大きく膨らんで、そして
自分を決める基準になるのだから

山の様につもった想い出は
マロン色のビンセンにつめて
君の住む街までこの風が運んでくれる
出発の準備は整った
触れられても壊れないくらい重い鎧と強い心を装備したら
誰も知らない世界へ行こう
今ある悲しみ全部おいて
自分が本気で誇れるものを見つけにいくために

春風にのって 春風にのって 春風にのって
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