ひえつき一人酒

庭の山椒(さんしょう)と 稗搗節(ひえつきぶし)の
唄が流れる 夢見酒
移ろう季節 夢まだ半ば
今日も 今日も 日向の 熱燗一本
のまれず 飲みます
望郷ひえつき 一人酒

三味の音締め 稗搗節の
酒の宴の 十八番
心に沁みる 唄ただ一つ
今日も 今日も 日向の 熱燗一本
しみじみ 味わう
望郷ひえつき 一人酒

恋し故郷 稗搗節の
庭の山椒 実もたわわ
帰りを願う 母ただ一人
今日も 今日も 日向の 熱燗一本
偲んで 背をむく
望郷ひえつき 一人酒
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