夏の残骸

ひからびた道を抜ければ
みずみずしく狂い咲く花に辿り着くわ
錆びた髪 風に乗せて歩き出すの
私を見つけてあげるために

溢れる言葉が 音を欲しがって 体中が軋みだす

逢いたくて抱いて欲しくて
苦しくて悲しくて上手く笑えない
焼けるような嵐がそっと
胸元で乾いてるかさぶたを剥がす
飾れずにただ私はここで
人知れず叫ぶように 枯れても歌うの
蹴散らした夏の残骸

いたずらに触れる手のひら
跳ねのけてツバを吐きかけて さあ逃げなきゃ

抱えた痛みが 優しさ覚えて 熱を帯びた夕暮れ

「さよなら」の頼りない手も
今じゃもうしっかりと誰かを包んで
大丈夫。 私はすぐに
ぬくもりもくちづけも忘れてしまうの
それなのに砕かれたヒザは血の海
もがくように愛しさを探し続けてる
消えないの? 夏の残骸

逢いたくて抱いて欲しくて
苦しくて悲しくて上手く笑えない
焼けるような嵐がそっと
胸元で乾いてる
かさぶたをはがす
飾れずにただ私はここで
人知れず叫ぶように
枯れても歌うの
蹴散らした夏の残骸
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