日暮れそうな はぐれそうな
壊れそうな 空で
風が今 連れて来ます
君に似た香り

ビルの谷間に埋り込んで
大きな風に舞う記憶の群れの
向こうの夕日は今日も


失った想いに憧れたりするの
遠くの秋の香り
夕焼けに馴染んで紫に染まるの
遠く手を伸ばすよ

止まりそうな 動きそうな
渋滞の中で

開けた窓から見える海
ほんの少しの潮風が
傷の心に運んだものは
何か

傷ついた想いに憧れたりするの
遠く秋の空に
あの頃の声に振り向いたりするの
遠く手を伸ばして

失った想いに憧れたりするの
遠く君の香り

君といた時に捕らわれたりするの
遠く雨の香り
思い出なんて意外に簡単ではないよ
遠く君がいるよ
遠くぼやけながら
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