おとうさん

あなた愛して 生きるときめた
そんな ふたりを 引き離す
お腹に ややこが いるのです
運命(さだめ)を うらんでも うらんでも
生まれて 来る子に 罪はない

『この子は きっと いい子に育てて見せます』

かわい我が子の 寝顔を見れば
父の ない子に 出来ないと
幸福願って 生きました
やさしく 母さんは ほほえんで
子供は 命の きずなです

『育ての 父が この世を去り その後 実の父も他界
その時 初めて 母から 聞かされました
父親に 縁のない子だね』

離ればなれで 我が子と抱けず
そっと見守る 実の親
今では 空から 見ています
一度で いいんです 父さんと
呼びたい 逢いたい 抱きしめて

『おとうさん』
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