ひとり芝居

あなたの声をそっと真似て
私の名前つぶやいたの
そんな風に呼ばれたのが
昨日の事みたいね

白いブラウス紅茶のしみ
あなたがいつかこぼしたでしょう
それは拭けばおちるけれど
消せないのは悲しみ

お砂糖はふたつだったでしょう
あなたの好み忘れないわ
話しかけてもあなたはいない
ただ悲しみがこみあげるだけ

振り向きもせず夏が過ぎて
思い出だけが残るのなら
カレンダーをめくりながら
忘れたいのあなたを

借りっぱなしの本もみんな
返せないまま棚の隅に……
引き取り手のない心は
どこに置けばいいでしょう

レコードは何をかけましょうか?
あなたがいつも選んだでしょう
話しかけてもあなたはいない
ただ悲しみがこみあげるだけ

話しかけてもあなたはいない
ただ悲しみがこみあげるだけ
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