哀愁の部屋

二人で暮らし始めた頃は
アパートだってにぎやかだった
仲いい人が訪ねて来たり
今とは何かが違ってた
曇りガラスの外は春なのに
あなたは二日も帰らない

もう幾度目かおぼえていない
同じレコードくるくる廻る
この頃おぼえたタバコが指で
やけどしそうに煙ってる
桜の花がもう散り始めて
愛の終りを見るようね

淋しさなんてわずらわしいと
一人気ままに街へ出た
まるで出会いのあの日と同じ
屋根にしとしと春の雨
胸にかかえた紙ぶくろには
あなたの好きな物ばかり
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