あたしの彼氏

逃げた男を うらむより
いたらなかった 自分を責める
噂にきけば あの彼氏(ひと)は
女と暮らして いると云う
うそよ うそ うそ そんなこと
あゝいまごろは あの酒場(みせ)で
荒れている ひとり酒
きっと私を 呼びながら

みんな悪口 云うけれど
いゝえ優しい ところもあった
淋しい私の 身の上を
一緒に嘆いて くれた声
苦労したねと 抱いた腕
あゝいまごろは どこの街
濡れている うしろ影
ちょっと右肩 下げるくせ

未練ごころに 追いつかれ
冬の夜ながを さむざむ過す
火遊びだけなら 泣きゃしない
生れて始めて 死ぬような
恋をしたのよ ただ一度
あゝいまごろは あの彼氏(ひと)も
想い出を 数えてる
過ぎてはなかい 恋の夢
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