行きずり

悲しみをまた宿す 女の胸に
あなたという名の 小雪が積る
熱いお酒と 膝まくら
ほかに何にも できないけれど
行きずりの 行きずりの あなた あなた
灯をともして くれりゃいい

あどけないその寝顔 子供のように
昔に帰って 眠り続けて
冷えた身(からだ)に よりそって
心のじゃまは 決してしないわ
行きずりの 行きずりの あなた あなた
しあわせともして くれりゃいい

夢ならばまたいつか あなたの背中
男のずるさも 見送るつもり
髪を結んで 紅さして
涙は化粧で かくせばいいわ
行きずりの 行きずりの あなた あなた
夢だけともして くれりゃいい
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