神田小唄

肩で風切る学生さんに
ジャズが音頭とる神田神田神田
屋(や)並み屋並みに金文字かざり
本にいわせる神田神田神田

靴は流れる朴歯(ほおば)はひびく
街はあかるい財布は軽い
思い切るよにニコライ堂の
鐘が鳴る鳴る神田神田神田

ジャズは流れるレコードはまわる
赤い燈(ほ)かげにゃボタンが光る
白い蝶々かエプロンさんか
下駄が音頭とる神田神田神田

ひとりわかれて口笛ふけば
聖橋(ひじりばし)さえおぼろに霞む
今日もゆうべもニコライ堂の
鐘が鳴る鳴る神田神田神田
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