港しぐれ

雨に滲んだ 桟橋灯り
かすかに聞こえる 波の音
ひとりぼっちの 淋しさを
隠す女の 薄化粧
港しぐれて 瀬戸の海
夜が夜が夜が ああ…泣いている

揺れるため息 お酒に酔えば
グラスに昔が かくれんぼ
つらい別れの うしろ影
なんで未練が 後を引く
夢もしぐれて また涙
夜が夜が夜が ああ…せつなくて

浮かぶふるさと 近くて遠い
戻れるはずない 戻りたい
痩せたうなじの 肌寒さ
指にからんだ ほつれ髪
港しぐれて 瀬戸の海
夜が夜が夜が ああ…泣いている
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