八月、雨の朝

今日から わたし 悪い人になる
ひとりきりが もう つらすぎるから

花壇の柵を 踏み越えるように
あなたのことを 傷つけてみたい
サヨナラしないのが 優しさなら
泣かないことが 恋の結末なの

黒い靴下と 翡翠(ひすい)のバングル
出かけるのよ あなたの嫌いな服で
もし友達から 噂を聞いたら
胸が痛むくらい 変わってみる

愛しすぎて この手には持ちきれない
しあわせも悲しみも 今 こぼれてゆくわ
眠れぬ夜 越えて 世界で一番
いけないこと 決心する
素肌に寒い 八月 雨の朝

バカンスのあとの 霧雨の街で
あなたに似てる 人影を見つけた

見慣れた背中が 濡れて光ってた
小さい傘 きっと誰かの借り物

その人のもとへ 帰ってゆくのね
わたしに気づかずに 急ぎ足で

愛したのは 時が流れてゆくのは
忘れるため それとも 今 憎むためなの
窓に映る グレイのレインコートを
脱ぎ捨てて 冷たいしずく
感じてみたい 八月 雨の朝

愛しすぎて この手には持ちきれない
しあわせも悲しみも 今 こぼれてゆくわ
眠れぬ夜 越えて 世界で一番
いけないこと 決心する
素肌に寒い 八月 雨の朝
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