北の別離

おまえのかすかな 移り香に
別れの決心(こころ)が また迷う
雪の舞う 空見あげ
涙こらえる 細い肩
抱きしめて… 抱きしめて…
奪ってゆきたい 北の駅舎(えき)

どうして今頃 逢ったのと
恨みを言っては 困らせた
遅い春 待ちながら
いのち一途に 燃えた恋
忘れない… 忘れない…
おまえの小さな 癖までも

吹雪で遅れた 急行が 
冷たくふたりを 引き離す
他人(ひと)の眼も 気にせずに
泣いて駆け寄る 汽車の窓
別れても… 別れても…
愛するおんなは おまえだけ
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